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キャンディペイントは
半透明なキャンディカラーを使用した飴玉のように透き通った色合いからキャンディペイントと呼ばれるカスタムペイントの一つです。
キャンディペイントのことを飴色塗装と呼ぶのは少し違います。
色名「飴色」は、透明な黄褐色の単一の色を指し直訳するとAmber Colorです。
玉ねぎを炒めた状態や、革の経年変化した状態はAmberの飴色です。
キャンディペイントの飴色は「飴玉の色」の略です。
直訳するとCandy Colorとなり、キャンディカラーに塗装するのでキャンディペイントです。
飴玉のように様々な色があります。
キャンディペイントの特徴
キャンディペイントは濃度や塗膜厚で色を調整します。
混色をするとカラーが濁ってしまうのでカラーを重ねるというペイントをします。
一見、単色に見えるものでも2色以上のカラーを重ねることにより独特の深みが一層増します。
この色を重ねた状態を当店ではAMEIROPAINTと呼んでいます。
光の当たり加減で表情がこのように変化します。
AMEIROPAINTの魅力はこの変化です。
また、2トーン以上のグラフィックの際に生じるマスキング見切りの段差を円滑にし、鏡面処理を施すことにより本来の輝きを得ることが出来ます。
キャンディペイントはその名の通り、飴玉のような透き通った感じが特徴のまさに”飴玉色”といったペイント法です。
通常、メタリック・フレークにカラークリアーを吹き付け飴玉色に仕上げます。
吹き付けの工程を少し増やすことによって、透き通った感じに深みを与えることができます。
キャンディカラーの濃淡
ピンクの部分はキャンディレッド1色を濃淡のみで表現しています。
同じ色でも濃さの調整で色が違って見えます。
下色での見え方の違い
下地の色でも見え方がかなり変わります。
ブラックとメタリックでグラフィック(模様)を描いた下地を作ります。
そこへ1色のキャンディレッドを重ねます。
モノトーンのグラフィックがこのようになります。
キャンディカラーを重ねる
キャンディカラーは色を混ぜると濁る傾向にあるので2色以上を使用する場合に色を重ねる塗装の仕方をします。(濁らない組み合わせもあります。)
キャンディイエローとキャンディグリーンの色重ねです。
光が当たると黄味の強いグリーンになり、色に濁りがなく奥行き感を強調することが出来ます。
フレーク(ラメ)
フレークは通常メタリックより粒子が粗いもので、クリアーに混ぜたりして塗装します。
当店では、このフレークを主に下地に使用しています。
U=極細目(ウルトラミニフレーク)
M=細目(ミニフレーク)
F=粗目(フレーク)
の3種類から選べます。
フレークとキャンディの重ね技
ペイント工程をフレーク→キャンディレッド→フレーク→ブルーとキャンディカラーを重ねて吹いた場合。
キャンディカラーが重なった部分はパープル。
重なっていない部分はブルー。
2色が楽しめるキャンディフレークになります。
ベースカラーによるフレークの質感
フレークはベースカラーによって見え方が変わります。
今回は当店でよく出るミニフレークの違い。
フレークの量が同じでもこのような差が出ます。
この後にキャンディカラーを吹きます。
特徴はブラックベースは色味はダークな雰囲気になるけれど、
フレークの一粒一粒が際立ちフレーク特有のギラギラ感が増します。
対してメタリックベースはベースカラーとフレークが近い質感なのでフレーク一粒一粒が少しぼやけてしまいますが、色味がとても鮮やかになります。
同じタンジェリン(オレンジ)でもこんな感じで違いが出ます。
ブラックベース
メタリックベース
これはフレークのサイズが一番大きいサイズ。
メタリックベースなのでギラギラ感は伝わりにくいかな?現物は結構ギラギラです。
ブラックベースにブラックボカしやメタリックのグラフィックで個性を出したり出来ます。
このようにかなり雰囲気が変わります。
ラップペイント
塗料を吹き付け、乾く前にラップを貼り、毛細管現象を利用した模様を付ける技法の一つ。
オーソドックスな方法としてはベースにソリッドブラックを吹き、メタリックでラップペイント。
当店では更にUフレークを重ねラップペイントの下地にアクセントを加えています。
同じ模様は二度と出来ない、魅力のあるペイント法です。
クリスタルペイント
ベースをクリアーコートし、その上に塗布する結晶化塗料です。
気温・湿度・足付けの仕方などで結晶模様が変化します。
ラップペイント同様同じ模様は二度と出来ない、魅力のあるペイント法です。
サンドブラスト タトゥー
アルミの素材を生かした塗装法。
アルミの地をポリッシュし、グラフィックのマスキング。
グラフィックス部分はサンドブラスト加工を施し、傷をつけた状態にします。
艶有りと艶なしのツートーンのペイントベースを作成。
その上に飴色コート。
仕上げは通常のペイントと同様に鏡面処理を施してあります。
光が当たらないと模様が入っているのかな?という雰囲気になります。
キャンディの隠ぺい力の弱さを利用したペイントは如何でしょうか?
魅力を引き出す3つ
キャンディカラーに一手間
この様にキャンディカラーは同色でも色の濃さ、下地、技法などで色味が変わります。
同じキャンディカラーを使っても、オリジナリティのある世界で唯一の色になるのが魅力です。
見切り段差を円滑に
色の塗り分けを「見切り」と言います。
そして「見切り」によって段差が発生してしまいます。
見切り段差を円滑にしないと、まるでステッカーを貼ったような仕上がりになってしまいます。
カスタムペイントにおいてこの段差があるかないかでクオリティーに歴然とした差が出ます。
鏡面処理を施す
通常、塗装した時に塗り肌が現れます。
純正塗装などヌラヌラっと写り込む、あの肌です。
総仕上げに塗り肌を研き落とし、コンパウンドで鏡面処理を施すことにより景色・覗き込んだ自分自身もペイントの一部へと変えます。
この3つをすることにより奥深い輝きを引き出すことが出来ます。
メリットとデメリット
メリット
キャンディペイントは通常の塗装と違い、ペイントしながら色を作っていきます。
ちょっとした下地の色、キャンディカラーの重ね回数で同じキャンディカラーでも個性を出すことが出来ます。
バイクのパーツやヘルメットなど丸いものへのキャンディペイントは、そのものの陰影もペイントの一部となり個性を発揮します。
デメリット
キャンディペイントは上記したようにペイントしながら色を合わせていく塗装になりますので色合わせが困難です。
特にキャンディカラーを重ねるAMEIROPAINTは下色の濃さ・加減と色の重ねで奥深い色合いを表現するために補修塗装が不可能に近いです。
走るのがもっと楽しく
メリット・デメリットとありますが、世界で唯一の色に変身させることができ、デメリットを忘れさせてくれるメリットがあると思っています。
キャンディペイントの特性で光の当たり具合での色の変化はもちろん、海岸線を走った時、森林の中を走った時、夏の炎天下、冬の曇り空、その時その時の景色もペイントへ解き込ませて「走るのがもっと楽しく」になると思います。
50ccのミニバイクからハーレーなどのビッグバイクやヘルメットなどなど、色ののるものなら何でもペイントいたします。
お気楽にご相談ください。