2008

ジェットヘルメット編
 リペイント&リーフの巻

今回のヘルメットは以前サンプルで制作しかけた物のリペイントです。
中古品の場合はこの様な工程を踏んでペイントしていきます。
参考になれば幸いです。

あくまでもこの工程は一例です。その他に無限に工程の組み合わせはあります。
ゴールドリーフも使用した、キャンディペイントの出来るまでをお楽しみください。

1.下地の下地


このジェットは帽体の状態までバラシが出来たので丸裸にします。
ペーパーで根気よく旧塗膜を剥離しましたが、面がボコボコでどうしようもありません。


密着剤を吹いた後にサフを吹きます。


面パテします。
次の研ぎ工程のことを考え、ヘルメットの曲面を意識しながら盛っていきます。


パテをペーパーで研ぎ、更に曲面を意識しながら砥ぎます。
下地の色が見えないように面を出します。


そしてもう一度サフを吹きます。
非常にわかりずらいですが、上に三枚目の写真より曲面が綺麗になったのがわかるでしょうか?

2.フレークの下地


今回はソリッドブラックを先に吹きます。


鮮やかな色合いにしたいので、メタリックを吹きます。
比べないと分からないですが、ホワイトの下地だと金属感は出ません。


その上にUフレークを3コート。
目が細かいので3コートでかなり詰まったようになります。

3.グラフィックのベース


いよいよデザインします。
一番頭を悩ませ、一番楽しい作業です。
今回のテーマは「猪」。
ラインテープで輪郭を描いていきます。


2mm幅のラインテープなんですが今回はハンドメイド感を出したいので、所々幅を狭くしたり広くしたりしました。


ソリッドブラックでそれ以外の所を塗りつぶします。
もったいないと思われるかもしれませんが、フレークはあくまで”下地”です。


ソリッドとフレークのツートーン。
ソリッドがフレークを引き立てる準備が出来ました。

4.グラフィック


当店の十八番キャンディペイントをしていきます。
色のはみ出して困るところにマスキング。
写真撮り忘れたんですが一番外枠にスカーレットで輪郭線を入れてあります。


オレンジで大きくグラフィック。
そしてブルー、レッドと色を入れていき「猪」に元気を与えていきます。


グリーンも入れていきます。
なんとなく元気になってきているでしょう?


グラフィックがほぼできたので全体にイエローを吹いてあげます。
バラバラだったグラフィックに統一感を与えます。


ラインテープやマスキングを全て剥がし細かいチェックをします。
輪郭が少しボケているので調整していきます。


上の写真との違い分るでしょうか?輪郭がハッキリしたと思います。
最後にクリアーでコートしてグラフィックの完成です。

5.ゴールドリーフ


ゴールドリーフでアクセントを付けてみます。
足付けと面を出す為にペーパーを当てます。
全体が艶消しになるまで磨いてあげます。


ラインテープでリーフのデザインを決めます。


リーフを貼りたい所にワニスを塗ります。
平筆で出来る限り均一に塗り、しばらく乾燥させます。
ワニスの塗ったところ黒光しているの分かりますか?


指触乾燥出来たら呼吸を止めゴールドリーフを貼っていきます。
ワニスを塗った所以外を刷毛で払い、リーフの貼り付けが完了。


クリアーでリーフを抑えて完了です。
ブラックにゴールドが映えます。

6.ゴールドリーフのグラフィック


猪を再びマスキングで覆います。
マスキング剥がすのって快感です。本当は前回にいちばん外側のラインテープは剥がしていけませんでした。
先走って剥がしてしまいもう一度やり直しました。トホホ。


猪の再マスキングが完了して気持ちを入れ替え、ブルーでゴールドリーフにグラフィックを入れます。
この段階では「失敗」っぽいです。


その上からレッドを吹いてあげると、あら不思議。
ブルーだったところが限りなくブラックに近い色に変化します。


輪郭をシャープにしたいので、リーフ部分にマスキングをして、ソリッドブラックを吹きます。


工程の確認をして剥がす快感を味わいながらマスキングを全て剥がします。
そしてクリアーで抑えてゴールドリーフのグラフィックの完了です。

7.段差消し


マスキングによる段差を消していきます。
クリアー層を超えるとキャンディに届いてしまい、濃度や塗膜で決まっている色が削れ薄くなり台無しになってしまうので慎重に進めます。


1回目の仕上げクリアーを吹きます。
微妙な段差を消す為、厚めに4コートします。


そしてまた磨きます。
段差を消し滑らかなラインを意識し磨いていきます。
今回は1回目で段差が完全になくなりました。


2回目のクリアーを吹きます。
段差を消すという工程はクリアーでパテをする感覚です。
2枚上の写真と比べて面が滑らかになったのが分るでしょうか?

8.鏡面処理


鏡面処理の前に磨きをします。
この磨きは今までの磨きと違い、塗装肌を円滑にするのが目的です。


粗目のコンパウンドをシングルアクションでポリッシュします。
ペーパー目を消す為のポリッシュです。


細目のコンパウンドで艶を追及していきます。
上記の光の反射より鋭い反射になっています。


極細目でフィニッシュ。
写真では違いが分かり難いですが、実物は雲泥の差があります。


右サイドばかり説明してきましたが、左サイドにはゴールドリーフでこの様なグラフィックが入っています。
鏡のように顔が映るようになって鏡面処理の完成です。

9.組み付け


バラし可能なヘルメットのボタンは新品に交換します。
当店はボルト留めを採用し、締め付けの加減を任意に調整します。


適度な締め付けで、締め付けによる塗装の盛り上がりを最小限に抑えます。


ボタン上が顎紐を止めるリベットもボルトに変換します。
内装を簡単に外せるようになり、内装の洗浄した際の乾燥が楽になります。
ボルトには回り留めがあるので緩み難い構造になっています。


組み付け完了後。
ボタン、縁ゴムが付いてヘルメットらしい姿になりました。
このようにカスタムペイントは長い工程と手間を要します。


少しでもカスタムペイント、キャンディペイントに興味を持っていただけたら幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
完成品